この書籍は月刊誌で、財務会計と人事労務管理の2分野を扱っております。2分野あるので、各記事は比較的短めです。ただ、人事専門雑誌に比べると、短い記事ながら、キラリと光る内容があり、結構愛読しております。コラムも独立されている社労士さんや税理士さんには楽しく読める内容だと思います。人事や税務の専門家の方は当然別途専門誌を愛読されていると思いますが、鞄に忍ばせておいて、ちょっとした空き時間に軽く読める専門誌としてお勧めです。小説で言えば短編小説、のような感じでしょうか。
2014年11月号の内容(一部抜粋)
■中小企業がいま取り組むべき「中期経営計画」づくり
■産業医の上手な選び方と付き合いかたマニュアル
私も有名な産業医の先生の話を何度かお聞きする機会があったのと、個人的に色々とお話を聞かせて頂くこともありました。特にうつなどの精神疾患の従業員との扱いではいつも苦慮する問題です。
産業医とはどうゆう存在なのかというところから解説されております。
この本は、タイトルと内容に多少の齟齬がある気がします。良く言えば、全ての社会保険労務士及び職員に必読の書だと思います。社労士の独占業務について詳細に記載されております。社労士試験に社労士法が出題範囲に含まれておりますが、なかなか社労士法をきちんと勉強する機会は少ないと思います。社労士会の役員になって始めて社労士法を本格的に勉強した、という話も聞きます。このようにまとめて社労士法を勉強してみたい方にも大変オススメの書となっております。この本は小説風の作りになっていますので、1ページ目から順に気持よく読み進めていけます。拾い読みや飛ばし読みをする必要がありません。そのくせ、きちんと勉強できる書き方になっており、他にない充実した作りです。先日も助成金申請書などにある事務代理と提出代行の違いを、この本で確認しましたが、細かな点で気になる事や念のため確認したい事があると都度確認できるのも、この本の良い所です。
専門書を執筆する方の参考にもなるかと思います。
特に圧巻なのは、社労士の歴史について詳述されている部分です。過去の歴史から始まり著者が社労士会連合会の会長を退任されるまでの主要な出来事が記載されております。その中でも、税理士会との独占業務の範囲をめぐるやり取りは時系列で相当詳しく書いてあり、当時の社労士会連合会の会長であった著者であるからこそ知っている内容、書ける内容も相当含まれております。ここには、いわゆる「年末調整」業務に対する「答え」が記載されていると言っても良いと思います。税理士との隣接業務でお悩みの社労士の方、また税理士の方には、せひ一読されることをお勧めします。
また、社労士事務所の採用試験にも適しているかも知れません。
私も二度ほど通読しましたし、必要に応じて部分的に読み返しております。
他に類を見ない名著だと思います。