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2014/06/06 Vol.4 試用期間(Trial period)

そろそろ梅雨が近づいて来ました。日中は夏の日差しが照りつけますが、少し涼しい風が吹くとまだまだ過ごしやすいですね。
日中は暑いですが、夜は過ごしやすくなる今の季節は結構気にってます。

さて今回は試用期間のお話です。知っているようで以外に知らないのが試用期間ではないでしょうか。判例も含めて結構奥深い内容です。

【試用期間】
従業員を雇用する際に、本採用までの数週間から数ヶ月間を「試用期間」とすることができます。
この試用期間に関しては、労働基準法の解雇予告手当ての条項に一部記載があるだけで、試用期間自体に関する法律はありません。
しかし、一般的に数週間から長くて数カ月間の試用期間を設けている企業が多数あると思います。

試用期間とは、解約権留保付きの労働契約と言われております。
試用期間中に従業員の勤務態度や業務習得能力などを見て、本採用するか否かを判断する期間と言えます。

ただ、本採用を見送る際には解雇となり、試用期間中だからという理由で安易に本採用拒否(解雇)できるわけではありません。

すなわち、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められる場合は、解雇権の濫用となり無効となります(労働契約法第16条)。

試用期間は自社の正式な従業員として働いているのであり(労働契約も締結されており、社会保険・労働保険共に加入する必要があります)、採用試験の延長のような扱いで、試用期間終了時に「正式採用されませんでした」といって安易に本採用を見送るようなことはできませんので注意が必要です。
なお、実際に本採用中止を行うような場合は、就業規則にその旨明記しておく必要があります。

試用期間終了後の本採用拒否については、上記の通り解雇扱いになりますので、慎重に行う必要がありますが、通常の解雇よりも広い解雇の自由が認められるとの判例もあります。

このあたりは個別具体的な例に則して考える必要があるのでしょうが、企業としては本採用拒否の明確なルールを規定しておくのが現実的な落とし所ではないかと思われます。

試用期間の長さは、労働基準法の解雇予告手当(第21条)ての条項に記載されている14日間とは無関係に設定することが認められております。試用期間の長さは法的な規定はなく、企業が自由に設定することができますが、公序良俗(民法90条)に反するような長期間の試用期間は無効になる可能性がありますので、注意が必要です。ちなみに国家公務員や地方公務員の試用期間は6ヶ月間と法令で規定されております。

また、試用期間の延長を行う可能性がある場合は、就業規則に明文化しておく必要があります。ただ試用期間の延長は、病欠が多いなどの特別な場合に限るべきでしょう。
近年増加しているうつ病などの精神障害に新卒の試用期間中の者がかかった場合などは試用期間の延長をして様子を見るのも一法だと考えられます。

例えば、パートタイムや派遣で既に自社で働いていた者を正社員で雇用する場合は、その者の働きぶりが十分わかっているはずであるから試用期間を設けないように厚生労働省は指導しております。

(ホームページでは判例等もご紹介しております)
http://www.yoshida-group.org/special_sites/Trial_period.html

【コラム】
加西事務所の看板です。Facebookもありますので、皆さん見てくださいね。
高知に社員旅行に行った際に、加西事務所の看板を作成してもらいました。
https://www.facebook.com/pages/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%BF%9D%E9%99%BA%E5%8A%B4%E5%8B%99%E5%A3%AB%E6%B3%95%E4%BA%BA-%E5%90%89%E7%94%B0%E5%8A%B4%E5%8B%99%E7%AE%A1%E7%90%86%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%89%80/303189329769724

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