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プロジェクト管理と労務管理Project Management & Labor management


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はじめに

プロジェクトによっては複数の会社から人が集まって進めていくことも多いと思います。今回は、このように労働条件の異なる複数の会社(人)が集まるプロジェクトで気をつけないといけない項目をまとめてみました。

現場でプロジェクトを束ねているプロジェクトマネージャーは、自社では管理職でない場合もあります。この為、労務管理に対する知識が圧倒的に不足している事が多々見受けられます。

このような状態では、プロジェクトメンバーの身体的精神的な健康を維持することは難しいですし、なによりも違法状態を放置することになります。プロジェクトマネージメントの上司にあたる管理職の方の責任問題にもなりますし、労働基準監督署からの調査対象になってしまうこともあります。

近年、インターネット等の普及で、誰でも簡単に正しい労働条件を知ることができます。この為、従業員が会社を訴える個別労働関係紛争も高止まりしております。

プロジェクトは、自社以外の場所で行われることが多く、物理的な目が行き届かない、というのが現実だと思いますが、ここで安易にプロジェクトマネージャーに任せてしまうと、高リスクを背負った状態となり、危険をはらんでいます。

昼休み(休憩時間)

実は会社によってお昼休みや休憩時間は異なっています。大多数の会社では12:00〜13:00になっていると思いますが、違う会社も多々あるので、注意が必要です。
なぜか、といば、休憩時間は労働基準法により厳密に規定されているからです。これは、入社時の雇用契約書にも記載がある重要事項です。この認識が現場のプロジェクトマネージャーにないことが多くあります。
例えば、昼休みを12:00〜12:45の45分間と設定している会社も比較的多くあります。このような会社は、所定労働時間を7時間半に設定していることが多いです。1日の労働時間が8時間を超えない場合は、休憩は45分間で良いことになっています。ただし、

http://www.yoshida-group.org/special_sites/break_time.html

また、昼休みを取らない日ができてしまうのも違法となります。上記の通り6時間を超えて働く場合は45分、8時間を超えて働く場合は1時間の休憩が途中に必要になります。この為、もし会議などが長引いて規定の時間に昼休みが取れない場合は、例え15:00からでも良いで、しっかりと決められた時間の休憩を与える必要があります。

他チームの目が気になり、15:00から1時間も席を空けることなどできない、というのが本音かも知れませんが、「自分たちがやっていることは違法なのだ」という認識をしっかりと持って、正しい労務管理を行うようにして下さい。

また、みんなで揃って昼食というのは良いと思いますが、その後プロジェクトルームに帰ってきたら、直ぐに仕事再開、ではなくてしっかり60分の休憩を取らせることが必要です。注意する事が必要です。

有給休暇

プロジェクトに入っていると有給休暇が取れないということが多々あります。「病欠は良いが、遊びで休むのはダメ。プロジェクトが終わってから取得するように。」というのはプロジェクトマネージャーから良く聞く言葉です。

当然、これも違法です。有給休暇の取得は従業員の自由意志によるもので、会社が強制したり取得時期を指定したりすることはできません。有給休暇というのは、国が法律で定めたものであり、会社やプロジェクトマネージャーが自由に運用を変更して良いものではありません。有給休暇の取得に際しては、会社やプロジェクトマネージャーが「許可」を出すことはできません。国が決めた制度ですから、上司やプロジェクトマネージャーが、その取得に「許可」を出すという考えが、そもそも間違えています。プロジェクトマネージャーにできるのは、仕事の都合でどうしても取得日をずらして欲しい場合に「時季変更権」という権利を行使して取得時期を変更してもらうことはできます。ただし、従業員が取得時期を指定する「時季指定権」の方が優先しますので、よほどの事がない限り「時季変更権」は使用できません。
また、「時季変更権」は、あくまで取得時期を変更するだけなので、有給休暇を取得させなくすることはできません。この為、時季変更を繰り返すと、プロジェクトが架橋に差し掛かった際に、

また、他社のプロジェクトメンバーに対して、
「休暇を取る際にはプロジェクトマネージャーの許可をとって下さい。」
というルールにしているプロジェクトもありますが、これも明らかに違法行為です。

そもそも、他社の従業員に対して有給休暇の取得云々に対して何の権限もありません

プロジェクトマネージャーとして、
「緊急でない限り、数日前には休暇の連絡をして下さい。」
とルール決めはできますので、この連絡をしっかりとやることに徹して、休暇当日のスケジュールを決めて下さい。

また、どうしても休暇をとられると人手不足になる場合は、休まれる会社の他の従業員に代理で参画してもらうなどの措置を講じて下さい。

残業時間

給与計算をする際には、1日の残業時間は1分単位で計算することになっています(厚生労働省通達)。これは、自社の従業員に給料を払う際の給与計算の場合です。

では、プロジェクトではどうかといえば、管理上の問題だけを言えば、1時間単位でも30分単位でもかまいません。
他社のプロジェクトメンバーの1ヶ月の労働時間は、会社間の契約上の話でもありますし、精算条項がついていることも多いと思います。

重要なのは、プロジェクトで管理している時間と給与計算で必要な実労働時間が異なる、という認識をきちんと持つことです。

また、通称36協定というのがあり、この労使間で結ぶ協定によって、残業時間の上限が決められています。当然、この協定時間を超えて残業する(させる)と違法になります。プロジェクトマネージャーが他社の協定時間を把握しているか、といえば、そんなことはほとんどありません。また、プロジェクト開始時や、他社スタッフとの契約時に確認することも稀だと思います。

ただ、36協定に違反して長時間残業させることは、明確な労働基準法違反であることをしっかり認識する必要があります。

まとめ

以下ポイントをまとめましたので、プロジェクトマネージャーの方は確認用にご利用下さい。
 全体 各社の労働条件を確認して下さい。 
 休憩時間  6時間を超えると45分、8時間を超えると1時間の休憩を必ず入れて下さい。
 有給休暇 自社・他社ともに有給休暇の「許可」は出せません。特別ば場合のみ「時季変更権」を使えます。
 残業時間  給与計算は1日、1分単位での管理が必要です。残業時間の上限は36協定を確認して下さい。

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有給休暇を死傷病の病欠で使用するのは問題ありません。欠勤扱いにする会社があるかも知れませんが、有給休暇が残っていたら、有給休暇で取得するのが良いです。

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