ボーナス(賞与)とは、毎月の給料以外で臨時的又は定期的に支給されるものです。
給料との違い
毎月の給料の支払いには、賃金支払いの5原則という決まりを守る必要があります。これは労働基準法24条1項及び2項で規定されております。
賃金支払の5原則
1 通貨払い →労働協約等の例外を除いて現物給付を禁止しています
2 直接払い →賃金の中間搾取を禁止します
3 全額払い →労使協定等の例外を除いて一分控除を禁止します
4 毎月1回以上 →賃金支払期間を1ヶ月以内とし生活の安定をはかります
5 一定期日払い →支払日を固定することで生活の安定をはかります(第X月曜なども禁止です)
賞与には上記賃金支払の5原則のうち「毎月1回以上」と「一定期日払」の原則が適用されません。これは労働基準法24条2項で例外として規定されているためです。
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また、賞与は、使用者が退職金などと同様に恩恵的なものとして支給している限りは、賃金とは異なると解されます。ただし、労働協約、就業規則、労働契約等で支給条件が明確になってる場合は賃金と同じ扱いとなります。(昭22.9.13 基発17号)
支給日在籍条項
賞与の支給に際して、就業規則等で支給日に会社に在籍している者のみに支給するという条文が記載されていることがあります。これは、例えば賞与支給日前日に退職した者には賞与を支給しないということになります。
一般的に、この規定は不合理とは言えず、支給日に会社に在籍しないものに賞与を支給しないことは有効であると解されています。(昭57.10.7 最高裁第一 大和銀行事件)
この規定は定年退職時にも有効であると解されております。定年の場合は、生年月日の月になると自動的に定年退職扱いになります。この為、従業員からすれば賞与の支給対象期間(賞与額の計算対象となる期間)には会社に在籍していたが、支給日には定年で退職していた場合などは、不合理を感じるかも知れません。
ただ、雇入れ時に明示する労働契約には退職に関する事項も含まれておりますので、支給日在籍条項も有効と解されます。(平8.10.29東京地裁 カツデン事件)